withコロナで気付いたテレワークの話
4月の緊急事態宣言を機に一気に広がった感のあるテレワーク(在宅勤務)。
メリットもデメリットもあるけれど、その辺りを踏まえて気付いたのはテレワークで置き去りにされてしまう社員の存在です。
置き去り、というのは何も「テレワークに順応できない」という話ではなく、テレワークに取り組んだ結果として精神的な疎外感を覚える社員が少なからずいるということです。
beforeコロナの社員にとって、勝手知ったる仲の社員が周りに多くいるという環境でのテレワークは非常に快適です。
それまでの仕事に対する信頼感がベースにあるので、必要最低限のコミュニケーションでも業務が成立します。
ある程度のツーカーの関係性が、より業務をスムーズにさせる効果があるわけですね。
そうするとbeforeコロナの社員にとってはテレワークという働き方は、使い方次第で非常に有意義です。
一方、コロナ禍において入社した社員は事情が違います。それまでの働き方に共通理解がないため、チャットツールなどでテンポよく進む業務になかなかついていけませんし、バックボーンが違うことに対する理解も浅いため、マインドが孤立しがちです。
結果、テレワークの是非は10対0の話ではなく、企業それぞれがどうさじ加減をするかということになります。
企業風土や場所による働き方に沿って、「どのようにテレワークと向き合うことで、生産性が高まるのか、あるいはより楽しい働き方が実現できるのか」を考えなければいけません。
beforeコロナの社員とwithコロナまたはafterコロナの社員とを同列に考えてはいけないのです。
今後、就業環境はより複雑化するとともに、それだけ就業観も多岐に渡るようになってきます。企業としてどこに労働の価値を置くかということが試されているような気がします。