コロナ禍で“迫害”される帰省組。マスコミの大罪は看過できない
お盆休みの帰省は日本の風物詩ですね。
そんな毎年の光景も、今年に限っては新型コロナウイルスの影響もあってちょっと様相が違うようです。
とある報道番組では、このお盆休みに故郷に帰る「帰省組」にフォーカスし、地方で「帰省組お断り」の掲示をする飲食店などを取材していました。
地方にウイルスを持ち込まれては困るから、帰省者は入ってくれるな、というわけです。
自治体によっては首長から帰省の自粛なども発表されており、それを象徴するかのような実態を紹介しているわけですが…。
はっきり言って、とんだ迷惑報道ですね。
こんな店舗、数千件のうちのほんの一部であり、世論全体がそういう姿勢を取っているかのような報道でした。
感染症対策を懸命に行い、一人でも多くの帰省客を迎えようとしている店舗からすればいい迷惑ですし、その自治体全体の経済にも影響を与えかねません。
マスコミはこういうネガティブ報道が大好きです。
そのほうが視聴率、PV数を稼げるからであり、報道する側にとって都合がいいからです。
とある統計では、人が幸福の中にある映像より、殺ささる映像(ドラマなんかの話です)の方がより視聴回数が増えるとのこと。
そういう統計を知ってか知らずか、マスコミって人の不幸やネガティブなエピソードをこぞって取り上げたがります。
話が横道に逸れましたが、今回の新型コロナウイルスの問題はより冷静な視点で考えなければなりません。
日本で毎年流行するインフルエンザは、約1000万人が感染して直接死で約3000人、関連死を含めると1万人にのぼるそうです。
例年に比べて流行しなかったとされる今年でも1週間で500人が亡くなりました。
それに対して新型コロナでは現時点で死者は1000人強。
著名な方も亡くなっており、たいした数字ではないとは言えませんが、例年のインフルエンザ対応に比べるとちょっと異様な騒ぎ方です。
感染者数においても、4月時点に比べてPCR検査の数が大きく増えていることを考えると、陽性者の数が比例して増えるのも当然です。
特に4月の緊急事態宣言時に比べて重傷患者と死者の数は極めて少なくなってきています。
未知のウイルスということもあり、まだまだ確定的なことが言える段階ではないにせよ、これらの事実を踏まえると、まずは「基本的な感染症対策をしっかりやろう」、「病院が重症患者を受け入れられる態勢を守ろう」ということに尽きるのではないでしょうか。
ここ最近は猛暑が続いていることもあり、街中ではマスクをせずに電車に乗る人、ショッピングモールを歩く人が目に付くようになりました。
マスコミはこういう部分に対して警鐘を鳴らす報道をするべきであり、ある意味自治体に対するネガティブキャンペーンのような報道をしている場合ではありません。
マスク、手洗い、うがい、消毒といった基本的な対策はこれからも継続しつつ、経済と命の両方を守る暮らし方が必要なのではないでしょうか。